小児の歯科治療には、虫歯、歯肉のケア、歯並びの治療などがあります。将来、大人の歯並びや健康な歯を維持するためには、子供のうちからのお口の管理がとても重要です。当院では、子どものお口の健康を守るためのさまざまな予防や治療を行っています。
1 フッ素塗布
フッ素塗布は虫歯予防に非常に効果的です。フッ素は「再石灰化」「歯質の強化」「細菌の活動抑制」といった効果があります。赤ちゃんの歯が生え始めたばかりの時期から適用可能で、定期的に歯に塗布することで、虫歯になりにくい歯を維持できます。適正な量で使用することが大切です。
2 シーラント
奥歯の噛む面には細かい溝があり、食べかすが溜まりやすく、虫歯の原因になります。シーラントは、レジンで奥歯の溝を埋め、食べかすが溜まるのを防ぐ処置です。シーラントにはフッ化物が含まれており、歯の再石灰化を促進します。これにより、虫歯のリスクを減らし、しっかり噛んで食べられるようになります。
3 歯磨き方法の指導
お子さまによっては歯磨きが面倒になり、ついさぼってしまうケースもあります。歯磨きを継続できないと汚れが溜まり、お口の中が虫歯にかかりやすい環境になります。
お子さまが歯磨きに興味を持ち、習慣化することが大切です。当院では、お子さまが楽しく歯磨きを学べるよう優しく指導しています。磨き残しがないよう丁寧に指導し、成功体験を通じて歯磨きが楽しくなるようサポートします。
4 生活習慣の指導
虫歯のリスクを高める要因のひとつに、食事や生活の習慣が挙げられます。
食事で避けたいのが、砂糖を多く含むお菓子やジュースを与えすぎることです。また、食事で大切なのがタイミングです。間食が多いダラダラ食べが習慣になると歯が再石灰化しにくく、虫歯ができやすい状態になってしまいます。間食の回数を減らし、時間を決めて食べるようにすることで、虫歯にかかりにくいサイクルに変わります。
5 MFT(口腔筋機能療法)
お口はさまざまな部位の関係性で成り立っており、複雑な運動によって機能しています。何気ないときに舌が正しい位置になかったり、口で呼吸をしたりすると、将来の歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性があります。
MFT(口腔筋機能療法)は舌やお口周りの筋肉などのバランスを整えるためにトレーニングし、お口が正しく機能するように改善する処置です。
MFTにはさまざまなトレーニング方法があり、ご自宅でできるトレーニングもあるので、日々実践していただくことで癖を改善したり、将来噛み合わせが悪くなるのを防いだりできます。
6 虫歯の治療
虫歯予防を行っていても、お子さまが虫歯になることがあります。その場合、早期に適切な治療を行うことが大切です。お子さまの歯を守り、快適に治療を進めるため、当院では無理なく少しずつ治療を進めていきます。
1. 初診・検査
まず、お子さまの歯を丁寧にチェックし、虫歯の進行具合を確認します。虫歯がどの程度進んでいるかを確認するために、必要に応じてレントゲンを使い、詳しく調べます。
2. 治療計画の決定
虫歯の進行具合に応じて、治療方法を決定します。軽度の虫歯であれば、フッ素塗布やシーラントを使って予防的に治療を行うこともありますが、進行した虫歯には詰め物をする必要があります。治療方法については、親御さまにも説明し、納得いただいた上で進めます。
3. 無理なく治療を進める
お子さまの治療は、一度にすべてを終わらせるのではなく、少しずつ進めることが大切です。初めての治療でも安心して受けられるよう、短時間で終わる治療から始めることが多いです。治療を何度かに分けることで、お子さまの恐怖心を和らげ、安心して治療を続けられるように配慮します。
4. 治療後のケア
治療後は、お子さまに痛みがないかを確認し、必要に応じてお薬を処方します。また、虫歯を再発させないために、定期的にチェックを行います。治療後は、フッ素塗布や歯磨き指導を行い、しっかりとお子さまが自宅でケアできるようサポートします。
お子さまが歯科治療に対して不安を感じないように、無理なく治療を進めるための工夫をしています。
1. 歯科医院への慣れ
まずは簡単な検診やクリーニングを行い、お子さまがリラックスできるようにします。歯科医院に慣れてきたら必要な治療を行います。
2. ポジティブな経験
治療が終わった後に小さなご褒美を渡すことで、ポジティブな体験を積み重ねていきます。また自分はできたという成功体験を重ねることで、次回も安心して治療を受けられるようになります。
お子さまの歯の健康は、将来の大切な健康に直結します。定期的な予防と治療で、お子さまが生涯にわたって健康な歯を維持できるようサポートします。お口に関するお悩みやご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。