さくま歯科医院は2025年7月に新潟県加茂市幸町にて開院予定です。

歯周病

歯周病

歯を失う原因で最も多いのは歯周病です。

歯周病とは虫歯と同じく細菌が感染して起こる感染症です。歯周病菌によって歯を支える歯肉・歯根膜・骨を破壊し最終的には歯がダメになってしまいます。また恐ろしいことに自覚症状がないまま進行することがほとんどです。

厚生労働省が公表した歯科疾患実態調査では成人の75〜85%の人が歯周疾患に罹患していると公表しています。また歯を失う原因は歯周病が41.8%、 虫歯が32.4%であると報告されています。

非常に感染者の多い歯周病ですが、これは最も感染者の多い感染症としてギネス記録にも認定されています。

歯周病

 

歯周病の原因

歯周病の原因は歯周病菌です。

口腔内の衛生状態が悪いと歯周病菌の活発が活動になり、増殖します。

また生活習慣(食習慣・体調・飲酒・喫煙など)が崩れると免疫が低下し歯周病菌はさらに活発になります。

そのため歯周病は細菌及び生活習慣が影響する生活習慣病なのです。

 

歯周病セルフチェック

まずは自己診断をしてみましょう!

初期の段階の歯周病には自覚症状がほとんどありません。進行しないと目に見える症状が現れないことからSilent Disease(静かなる病気)とも言われています。症状のわかりにくい歯周病ですが、まずは以下の歯周病自己診断をおこなってみましょう!

□ 歯茎が赤く腫れている

□ 歯みがきのときに出血することがある

□ 朝起きたとき、口の中がネバつく

□ 口臭が気になる

□ 歯ぐきが下がってきた気がする(歯が長く見える)

□ 硬いものが噛みにくい

□ 歯がグラグラする感じがある

□ 歯と歯の間に食べ物がよくはさまるようになった

結果の目安

  • 0〜1個:今のところ大きな心配はありませんが、定期的な検診をおすすめします。
  • 2〜3個:歯周病の初期症状の可能性があります。一度歯科医院でチェックを。
  • 4個以上:歯周病が進行している恐れがあります。できるだけ早く受診してください。

自己診断の結果はいかがでしたか?少しでも気になることが遠慮なくご相談ください。

 

歯周病の診断には歯周病検査が必要になります。精密な検査を行い現在の歯肉の状態を知ることが重要です。またレントゲン検査、口腔内の視診を行うことでより正確な診断を行うことができます。

歯周病菌が歯肉溝に侵入してバイオフィルムを形成し、歯肉が炎症を起こして少し赤く腫れてい流状態です。自覚症状はほとんどありません。
歯周ポケットの深さ 3mm以内
歯ぐきに限局された状態で歯根膜や歯槽骨の破壊はありません。
適切な口腔ケアと歯科医院での処置によって、もとの健康な状態に戻すことができます。

歯周病の悪化に伴ない歯周ポケットが形成され、歯根深部への歯石の付着が始まります。
歯肉の炎症が強くなり、出血や排膿といった自覚症状も現れ始めます。
歯周ポケットの深さ 3~5mm程度
歯を支える歯根膜や歯槽骨の破壊はこの頃から始まります。

歯周ポケットがさらに深くなり、歯槽骨の破壊が進み歯は揺れ始めます。歯槽骨の破壊によって歯肉は下がり歯根露出が始まります。
歯周ポケットの深さ 4~7mm程度
ブヨブヨとした歯ぐきからの出血や排膿が頻繁に見られるようになり、口臭もきつくなってきます。

歯周病の最終局面です。歯の大きな揺れや顕著な歯根露出だけでなく、痛みから物が噛めなくなることもあります。歯肉からの出血や排膿がひどくなり、口臭もさらにひどくなります。
歯周ポケットの深さ 6mm以上
そのままにしていると歯は自然に抜け落ちてしまいます。
歯を残すことが難しい場合は抜歯も必要になります。

歯周病の治療

歯周病の治療で最も重要なのはご自宅で正しい歯磨きを行うことです。

歯周病の原因である細菌は磨き残しがあると増殖します。毎日歯科医院でクリーニングすることは現実的に厳しいため、細菌を増殖させないためには毎日行う家での歯磨きが重要になります。

しかし磨き残しを目で見ることは難しいためどこが磨けていて、どこが磨けていないかを把握することはできません。当院では「染め出し」を行い磨けていない部分を確認します。磨けていない部分を確認することで歯磨きの癖を確認し、患者様一人一人にあった歯磨き方法を説明します。デンタルフロスや歯間ブラシを併用し日頃から「正しい歯磨き」ができるように頑張りましょう。

歯磨きのプロが専用の器具を使って、丁寧に綺麗に磨きます。

PMTCとはプロが専門の器具を用いて行う歯の清掃です。予防歯科先進国のスウェーデンで考案されました。歯に付着した汚れや細菌は、次第にバイオフィルムという細菌の塊を作り、これは普通の歯ブラシで除去することが難しい為、歯科医院でのクリーニングが必要になります。バイオフィルムを除去することで歯面がツルツルになり汚れがつきにくくなリ、ご自宅での歯磨きをより効率的に行うことができます。

スケーリングは歯面(歯ぐきより上の見える部分)に付着したプラーク・バイオフィルム・歯石・その他の沈着物を専用の器具や機器を用いて除去する治療です。とくに歯石は歯面に付着した微生物の死骸やカルシウムが石灰化したもので強固にこびりついており通常の歯磨きでは落とすことができませんし、バイオフィルムも歯磨きだけでは容易には除去できません。歯石やバイオフィルムは表面が粗造で汚れがつきやすいため、これらを除去することでご自宅での歯磨きをより効率的に行うことができます。歯石やバイオフィルムは何度も形成されるため、定期的に歯科医院で除去する必要があります。

SRPとは歯の根についた歯石やバイオフィルムを除去し歯の根をツルツルにする治療です。歯の汚れは時間が経つと歯肉の中へと入っていき、歯の根っこの部分に歯石やバイオフィルムを作ります。これは歯周病を進行させる原因になるため専用の器具で除去する必要があります。

スケーリングやSRPを行っても改善しない歯周病の歯に行います。歯周病が進行すると歯石がとても深い位置に強固に付着するためSRPでは汚れを除去しきれない場合があります。その汚れを除去するために歯茎を開いて行う治療が歯周外科治療です。

しかし、歯周外科治療(歯ぐきの手術)を患者さんに強制することはありません。歯肉にメスを入れるというのは、誰でも抵抗を感じることだと思います。「完治を目指すには必要だとしても、どうしてもここまではやりたくない」という方には、その状態を維持するようメインテナンスするという方法もあります。手術の必要性に関してはご説明するので、実施するかは相談して決めていきましょう。また歯周外科治療と併用して溶けてしまった骨を再生する歯周組織再生療法も行っています。保険適用ですが再生させるためにはいくつか条件があり、必ず理想通りに行くわけではないことをご理解ください。

歯周病の治療が終了し全ての歯の状態が安定したらメインテナンス(定期検診)にうつります。これは歯周病の原因である細菌や歯石は時間が経つと再び形成されること、歯周病は自覚症状が出にくい為です。定期検診では虫歯のチェック、歯周病検査、TBI、PMTC、スケーリング、SRP、レントゲン撮影等を必要に応じて行います。定期的に歯周病の状態を確認し汚れを除去することで歯周病の進行を遅らせ、ご自身の天然の歯をより長持ちさせることができます。定期検診は3ヶ月毎が基本ですがお口の状態によって前後します。1本でも多くの歯を残し、生涯好きなものを食べ健康でいられるように定期検診を行っていきましょう。